
今すぐ計画したい有意義な家族旅行
野生生物の保護からさまざまな発見まで、次に挙げる休暇のアイデアはどれも、家族が一緒になって楽しめるものです。
原文:タチアナ・レオノフ
家族全員でオーストラリアへ冒険の旅に出かけることは、訪れる場所や出会う人々とつながるだけでなく、家族が互いのきずなを深める素晴らしい機会にもなるでしょう。恐竜の跡をたどって先史時代について学ぶにしても、先住民アボリジニ文化の豊かさを見つけるにしても、これらの経験を共有することが、有意義な旅の思い出となって、愛する家族をいっそう強く結び付けます。
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1.家族全員でオーストラリアの野生動物保護に協力する

南オーストラリア州、カンガルー島、類を見ないカンガルー島 © South Australia Tourism Commission
南オーストラリア州のカンガルー島(Kangaroo Island)では、遠くから動物を見て歓声を上げるだけではありません。エコツーリズム事業者のエクセプショナル・カンガルー・アイランド(Exceptional Kangaroo Island)では、参加者グループに教育プログラムを提供して、他社と一線を画しています。
野生動物研究者のペギー・リスミラー博士と一緒にブッシュウォークに出かけ、ハリモグラについて学びつつ、その痕跡を探してみましょう。研究チームがイルカの群れを調査するのを手伝いながら、イルカと一緒に泳ぐのもいいでしょう。また陸に戻って、テリクロオウムを探し、彼らが巣作りするくぼみを調べて、その長期的な生存を守るために何が必要かを学びます。
カンガルー島(Kangaroo Island)ではどのような教育アクティビティを選んでも、間違いなく、オーストラリア固有の動物とその相互関係について、家族で一緒に多くのことを学べるでしょう。この経験が、自宅近くでの野生動物保護の取り組みを家族ぐるみで支援することにもつながる可能性があります。
2.景色を楽しむドライブ旅行で絆を深める

ビクトリア州、グレート・オーシャン・ロード、ケープ・オトウェイ灯台 © Visit Victoria
地元の人からのヒント
有名な12使徒の近くに来たら、車を止める心づもりをしてください。車でここを通る人はだれでも、休憩して写真を撮りたがります。ここで撮った写真はこの先何年も、旅の思い出として語り草になるでしょう。
ビクトリア州のグレート・オーシャン・ロード(Great Ocean Road)は全長243kmの長さを誇り、海岸の景色や地元ならではのおもてなしを楽しんだり、忙しい生活から時間を割いて家族の絆を深めたりするには最適な場所です。
トーキー(Torquay)(このドライブの東の始点または終点)ではサーフィン教室に参加してみましょう。オーストラリア式ボディサーフィン(ボードを使わずに岸近くで波に乗る)の方法を子供たちに教える絶好の機会です。ポート・キャンベル(Port Campbell)、ティンブーン(Timboon)、カーディーベール(Curdievale)などの魅力あふれる町に立ち寄って休息し、地元の人々と知り合ったり、小さな町の生活を楽しんだりするのもおすすめです。オトウェイ国立公園(Otway National Park)では、太古から続く雨林地帯を巡る高さ25mの歩道を進みます。家族の中でいちばんのおしゃべりさんも、この厳かな雰囲気には口数が少なくなるでしょう。
3.カカドゥの水場を独り占め

ノーザンテリトリー、カカドゥ国立公園、マグク © Tourism NT/Kyle Hunter & Hayley Anderson
旅のアドバイス
古代のブルングカイ(Burrungkuy)壁画遺跡を見に行きましょう。カカドゥ国立公園の中にあるこの遺跡には、最も古いもので2万年前にまでさかのぼれる壁画の傑作が残っています。
ユネスコの世界遺産として登録されているカカドゥ国立公園(Kakadu National Park)は、ノーザンテリトリーの都市ダーウィン(Darwin)から東へ車で3時間のところにあり、多くの野生動物を見たり、先住民アボリジナルピープルの文化遺跡を探索したりと、ワイルドなアウトバックの魅力がいっぱいのワンダーランドです。
暖かい日にカカドゥを訪れる場合は、公園内の滝や水場に子供たちを連れて行くと大喜びするでしょう。まちがいなく、オーストラリアで最も素晴らしい水泳体験になるはずです。マグク(Maguk)滝と自然の飛び込みプールまでは四輪駆動車が必要ですが、クルマの手配さえできれば、透き通った水と静けさに包まれた天然のプールが待っています。
モリーン・ロックホール(Moline Rockhole)は知る人ぞ知る魅力的なスポット。滝と滝づぼを楽しんでいるのは自分たち一家だけ、ということも珍しくありません。
カカドゥでは、どこで水浴びをするにしても、その場所は、伝統的にその土地を所有する先住民アボリジナルピープルにとって文化的に重要な意味を持つ場所であり、そこをあなたたちにも開放してくれているということなのです。子供たちには、ここでは敬虔な気持ちで泳ぐ必要があると言い聞かせて、ここでの体験を、さまざまな文化が故郷と呼ばれる土地とどのようにつながっているかを学ぶ貴重な機会にしましょう。
4.恐竜について学び、クイーンズランド州のアウトバックを探索する

クイーンズランド州、ウィントン、オーストラリアズ・ダイナソー・トレイル © Tourism and Events Queensland
時間を遡って、アウトバック・クイーンズランド(Outback Queensland)で恐竜の足跡をたどる旅に子供たちを連れて行きましょう。この地域は、かつては内海の一部でした。今日、この地域では恐竜やメガファウナ(巨大動物)の化石堆積物が多数見られ、その範囲は マウント・アイザ(Mount Isa)(ケアンズから南西へ車で12時間、飛行機で2時間)からエロマンガ(Eromanga)(さらに南へ車で12時間)まで広がっています。
オーストラリアズ・ダイナソー・トレイル(Australia’s Dinosaur Trail)を構成する3つの町、ウィントン(Winton)、ヒューエンデン( Hughenden)、リッチモンド(Richmond)を訪ねて、実物大の恐竜模型を間近でご覧ください。化石研究プログラムに参加して、恐竜の足跡の化石を見ることもできます。かつてオーストラリアを歩き回っていた凶暴な生き物について詳しく知ることができるだけでなく、アウトバックを故郷と呼ぶ地元の人に出会うことで、自分たちとは別の生き方があることにも気づくでしょう。
5.クリスマス島の自然現象を観察する

クリスマス島、毎年恒例の赤いカニの移動 © Christmas Island Tourism Association
クリスマス島(Christmas Island)では毎年10月から12月までの一時期(年によって少しずつ違います)、赤いカニの移動が見られます。それを見るために旅行を計画しましょう。地球上で最も驚くべき野生動物のイベントを目撃した感激は、家族にとって一生忘れられない思い出になります。動物界の神秘と偉大さをこれ以上に思い出させるものは他にありません。家族のだれかが将来自分の立ち位置を見極めるときに、このときのことを思い出すのではないでしょうか。
このカニは一年のほとんどを太陽から身を隠して暮らしていますが、雨季に入ってすぐのころに、数千万匹が群れをなして産卵のために海への大移動を始めます。普段は青い海が、この時期には真っ赤になるほどです。めったに見られないこの現象を見流さないように、携帯電話やカメラを充電しておくのがおすすめです。
6.タスマニア原生地域とつながり、互いにつながる

タスマニア州、サウスウェスト国立公園、パー・アヴィオン・ウィルダネス・キャンプ © Par Avion/Paul Fleming
子供たちには、(田舎に向かうという意味で)「ブッシュに行くよ」と伝えてください。タスマニア州南西部の険しい風景は、日常生活とは別世界のように感じます。WiFiもなく、携帯電話もつながらないところに行けば、雑事から離れてお互いの関係を見直すとともに、オーストラリアの手つかずの自然を一緒に体験できるというものです。
5人までの家族なら、ホバート(Hobart)から、放棄されたスズ鉱山の集落メラルーカ(Melaleuca)まで、この壮大な地域の水路を巡る日帰りプライベート・ツアーに参加するために、パー・アヴィオンのフライトを予約できます。または、日程に余裕があるなら、3日間のサウスウェスト・ウィルダネス・キャンプ(Southwest Wilderness Camp)に参加し、サウスウエスト国立公園の手つかずの原生地域に足を踏み入れましょう。太古から続くヒューオン松の林や険しい山々、孤立した島々を探索することができ、より活動的な家族のためにはウォーキングを楽しむオプションもあります。